痩せ顔・コケ顔タイプの⽼け顔治療

脂肪がある人とは適切な治療が異なる

 今回のテーマは「痩せ顔」と「こけ顔」の治療についてです。なぜこのテーマを選んだかと言いますと、以前にサーマクールは比較的脂肪の少ない「焦げ顔」の方には適していないという話をしましたからです。

太っている人の方が見た目年齢が若く見えやすいというテーマについても話をしました。意外と脂肪がある程度ついていて、ふっくらしたお顔のタイプの方が治療の選択肢も広いというのが事実です。

一方、脂肪がなくてシュッとした顔立ちの方は、治療法の選択肢が少し狭くなり、治療方法も異なってきます。そういうタイプの方は、アンチエイジングや老け顔の治療を選ぶ際に、どのような治療方法を選択すれば良いのか悩んでいる方も多いかと思います。

 

 

元々お顔に脂肪が少なくてシュッとした方、または元々骨格が小さくて小顔の方でも、加齢とともにたるみが生じてきます。しかし、顔のボリュームが落ちて痩せすぎてしまうと、老けて見えやすくなることもあります。ですので、ボリュームが落ちないように工夫することがポイントになります。

その上で、加齢とともに骨の萎縮が進み、たるみも進行することになりますので、ボリュームを落とさず、あるいはボリュームを補いつつ、たるみの進行を抑えるか改善する治療が基本的な方針となります。

また、痩せ顔やこけ顔の方以外にも、ダイエットや病気、体調不良などが原因で急激に痩せてしまい、顔のボリュームが減って一気に老けた印象になることもあります。そのような方に対しても、基本的な治療方針は同じです。

では、痩せ顔やこけ顔の治療方法ですが、ボリュームを補うことが重要です。そのため、ヒアルロン酸注射が一般的に使用されます。ヒアルロン酸注射にはいくつかの方法があります。

 

 

まず、頬の部分です。痩せ顔やこけ顔の方は、年齢とともに顔の骨が小さく細くもろくなっていきます。このため、ボリュームが減少し、痩せ細った印象になります。ヒアルロン酸注射を後退した骨の部分に注入することで、ボリュームを補うことができます。

この部分にヒアルロン酸を注入することで、痩せた骨のボリュームが補われ、若い頃のハリが取り戻されます。笑った際にも、ここにしっかりとボリュームが出るため、見た目の老け顔が改善されます。さらに、この部分にヒアルロン酸を注入することで、骨の萎縮だけでなく、伸びた靭帯や骨と皮膚を支える靭帯の間にヒアルロン酸が入り、引っ張る効果が得られるため、たるみも改善されます。つまり、痩せ顔やこけ顔の改善だけでなく、たるみの改善効果もあります。

そして次に、痩せ顔やこけ顔の方にとって特に気にされる場所は、頬の部分です。一般的に、この場所はシュッとした印象があり、ファッションモデルなどが逆に努力をする場所として知られています。カッコいいと思う一方で、老け顔という観点から言えば、痩せてしまうと老けて見えてしまいます。そのため、この部分にもヒアルロン酸を使用して補うことができます。

また、ほほの陥没にお悩みの方もいらっしゃいます。無理に膨らませることは避けるべきだと思いますが、先ほど述べたように卵型や丸顔にすることで若く見えることがあります。この部分にヒアルロン酸を注入して補う方法も、痩せ顔やこけ顔、老化の改善には良いと考えられます。

ただし、適切な量を使用し、なじませていくことが重要です。過剰な注入はたるみの原因になる可能性があるため、適度な量を打つことが大切です。また、目の下のクマやゴルゴラインを含めた部分が陥没すると、老けて見えます。この部分にもヒアルロン酸注射を行い、持ち上げることで老けた顔を改善する方法があります。

さらに、痩せ顔やこけ顔が老けて見える原因の一つとして、こめかみの陥没があります。この部分にもヒアルロン酸注射を行い、顔の輪郭を卵型に近づけることで改善することができます。丸い楕円形の輪郭は若々しく見えるため、この部分にヒアルロン酸注射が有効だと考えられます。

 

 

このように、痩せ顔やこけ顔の改善において、ヒアルロン酸注射についてお話ししましたが、過度な量を一度に注入することはおすすめしません。過剰に膨らむ可能性があり、しばらくはその状態が続き、周囲からは不自然に見えることもあります。

特に初めての方は、全体にではなく部分的に始めて、慣れてくると次第に量を増やしていく方が安全だと思います。このように段階的に進めることで、変化の様子を確認しながら治療を進めることができます。

今回は痩せ顔やこけ顔に関連して、老けた印象の改善について、ヒアルロン酸を中心にお話ししました。ボリュームを補うことでたるみを改善し、美しい輪郭を作る治療法です。ただし、血管や神経に当たると重大な副作用が起こる可能性があるため、適切な位置に適切な量を適切な技術で注入することが重要です。

急いで全体的に注入するのではなく、目的の部位だけに使用することも可能です。まずは診察だけでも受けていただくことをおすすめします。