脱毛ではなく抜毛
今回は、ワックスを使った脱毛についてお話ししたいと思います。具体的には、ブラジリアンワックスも含めた脱毛方法についてです。
この方法では、ジェル状のクリームを皮膚に塗り、一定時間放置します。すると、クリームが固まり、接着剤のようになってきます。そして、それをべりべりっと剥がすことで、毛を毛根から抜き取ることができます。
ただし、この脱毛方法では単に毛を引っこ抜くだけなので、毛の周囲には新たな毛が生えてくるための幹細胞が残ります。そのため、数週間後には再び毛が生えてくることになります。正確には、ワックス脱毛ではなく、ワックスによる毛の抜去といえます。

ただし、一時的にでも毛をなくしたい場合には便利です。そのため、多くの人が利用しています。しかし、ワックス脱毛にはデメリットもありますので、できるだけ必要最小限に留めるべき行為です。
今日お話する内容を聞いていただければ、毛を引っこ抜く方法について考えることが少なくなるかと思います。ワックス脱毛を検討している方や既に試している方にとっても、この方法の利点や欠点を理解した上で、自身の判断をすることが大切です。
それでは、本題に入りたいと思います。
まず、ワックス脱毛、ブラジリアンワックスを含めた毛の引き抜き脱毛は、一瞬で毛をなくすことができるメリットがあります。短時間で一時的にでも毛をなくすことができます。
ワックスの材質によっては、同時に古い角質も除去されるため、処理した皮膚がツルツルになる効果もあります。他の脱毛方法ではできない、白髪や色のないムダ毛も同時に抜くことができるというメリットもあり、多くの方がその効果を目にしたことがあるでしょう。
ただし、私の考えでは、この方法は毛を抜く行為自体がガムテープで毛を抜くのと同じ原理だと考えられます(原理的には同じです)。たとえワックスに美容成分が含まれていたとしても、皮膚を剥がす際のダメージを考えると、その美容効果には疑問符がつくとすぐに思います。

ワックスの美容成分による美肌効果があるとしても、角質が過剰に剥がれる場合、全体的にマイナスの効果になってしまいます。たとえば、プラスの効果が10ポイントあるとして、剥がす際のダメージでマイナス20ポイントとなると、合計でマイナス10ポイントのダメージを受けるイメージです。
皮膚の弱い方や敏感肌の方がマイナス10ポイントのダメージを受けると、皮膚がかぶれたり炎症を起こしたりするリスクがあります。重度の場合には皮膚炎や抵抗力の低下、感染症のリスクも考えられます。
ワックス脱毛によって角質が除去され、実際に皮膚がツルツルになる経験をしたことがあるかもしれません。しかし、先述したように、角質を剥がしすぎることはリスクです。
古い角質は基本的には新陳代謝とともに自然に剥がれ落ちます。普段のお風呂などで洗浄すれば、不要な角質は基本的に落ちていきます。
ワックス脱毛では、古い角質ではなく、まだ生きている皮膚を無理に剥がす可能性があるため、一時的に手触りがサラサラになっても、細胞レベルでの傷つきの可能性があります。言い換えると、できたてのかさぶたを剥がすようなイメージです。これにより、わかりやすく理解していただけるかと思います。
ブラジリアンワックスでも、脱毛後は引き抜かれた毛穴部分を含めて、赤く炎症し、ヒリヒリとした感覚が生じます。皮膚が反応している状態です。話す時間は短いですが、かなりの痛みを感じるかもしれません。
冒頭で述べたように、毛を引き抜いても幹細胞は残ります。
そのため、毛を抜いても一定の周期で毛は再生してきます。痛みを伴って毛を抜いても、数週間後には毛が再び生えてくるため、効果は非常に短期間と言えます。
では、痛みさえ我慢すれば、繰り返しこの脱毛方法を行えば、ツルツル肌が維持できるんじゃないかなって思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし現実はそう甘くはないですね。私達医療脱毛を提供する医師として患者様に禁止行為としてお伝えする。一つに毛を抜くことがあります。毛を抜いた後次の毛が生えてきたときに、その毛が埋没毛といって、皮膚の中に埋もれてしまうことがあります。
普通の毛のように皮膚表面に出てこずに、皮膚の下、皮下に止まった状態になります。
この埋没毛になってしまいますと、どの脱毛方法でも毛を減らすことができなくなってしまいます。レーザー脱毛も光脱毛も針脱毛も、そして埋没毛の原因を作ったワックス脱毛もできなくなってしまいます 確率は低いものの、埋没毛になってしまうと対応方法がなくなってしまうわけです。

毛穴に埋まった埋没毛の黒いブツブツがずっと残ることになってしまいます。さらに埋没毛は炎症を起こすリスクがあります。赤く腫れて悪化すると膿がたまり、炎症を起こして、ひどいニキビ状態になってしまいます。もし運よく治癒しても、長期間の赤みが残ったり、色素沈着、つまり、シミになったりしてしまいます。
じゃあね、どういうふうに今日の処理をしたらいいんじゃないですかってふうにね、聞かれる方いらっしゃると思います。ブラジリアンwaxも含め脱毛する方は、明日今日すぐに手をなくしたいというね、理由の方も多いと思われます 特に夏になると肌の露出が高まり、ムダ毛処理で致し方なく実施する方もいらっしゃると思います。
確かに今日明日の話ですと医療脱毛でも完全に脱毛することは間に合いません。カミソリで処置するのにも黒いブツブツが残るのがかっこ悪い嫌だという方や、カミソリでね、肌荒れしてしまうという方がいらっしゃると思います。
ですから、ワックス脱毛を行うとしたら、緊急的にどうしても一時的に毛をなくしたい場合に限定して行うのであれば、良いかと思います。